新着記事 一覧
人気記事 一覧
記事キーワード検索
SNS公式アカウント
RSSから記事を購読
物流KPIってなに?得られるメリットと設定方法を知ろう
お客様が「ほしい製品」を「ほしいとき」に「ほしい数量」を届けたい。それは物流においてはとくに目標とされるものです。そのためには、物流管理が必要であり、それがスムーズにできているかを判断するにはKPIという指標が必要です。
物流管理指標となるKPIの導入は、サービスの向上やコスト削減をするためには必ずといっていいほど必要なもの。物流戦略を立てるためにも、KPIの設定をしましょう。
物流KPIとは何か
KPIとはKey Performance Indicatorの略、「重要業績評価指標」のことを指します。実務的なコスト、生産性、品質において、サービスの向上をするうえで必要なデータや指標を用いる管理手法のことです。
例えば、車を乗るときにドライバーはスピードやエンジンの状態を確認しながら運転します。経営者をドライバーとすると、KPIはスピードやエンジンの状態を表すメーターのようなものです。安全に、スムーズに運転するにはそれらのメーターをしっかり確認することが必要です。会社を運営するにあたり、KPIを確認することで、安全に、スムーズに、また効果的に運営することが可能になります。
KPIの例
KPIは、大きく分けて、コスト・生産性、品質・サービルレベル、物流条件・配送条件の3つに分けることができます。それぞれの例を紹介しましょう。
- コスト・生産性
- 品質・サービスレベル
- 物流条件・配送条件
コスト・生産性のKPIには、保管効率、人時生産性、数量当たり物流コスト、日次収支、実車率、実働率、積載率、日次収支などがあります。
品質・サービスレベルのKPIには、棚卸差異、誤出荷率、遅延・時間指定違反率、汚破損率、クレーム発生率、などがあります。
物流条件・配送条件のKPIには、出荷カット、出荷指示遅延件数、配送頻度、納品待機時間、納品咲付帯作業時間、納品付帯業実施率、などがあります。
KPIの設定方法と得られるメリット
KPIを設定するには、まず目標を設定することです。その次に、その目標を達成するためには何が重要か、という点を考えます。
また、自社の問題点を改善できるための目標を設定することも大事です。それを実現するための数値を設定します。その際に注意すべきことは、無理をしない数値にすることです。目標ばかりが高くても、KPIをうまく活用することができません。
また、継続できる数値であること、理解しやすいこと、作業や行動を変えるきっかけとなること、スタッフが納得できること、データの入手が困難でなないこと、測定が簡単であること、といった点にも注意しましょう。
また、KPIを設定する際にコストがかかったり、困難であったりしては、最初から失敗してしまいます。簡単にできることであることも必要です。KPIは一度設定すると変更はしにくいもの。
よく考えてから設定するようにしましょう。KPIは高い数値を設定しがちです。しかし、数値が高すぎるとモチベーションがあがることにはつながりにくいものです。また数値だけですべてを把握しようとしても、無理があるもの。KPIの限界も認識しておくようにしましょう。
KPIを成功させるには、期間をきめて実績数値をスタッフに公表することも大事です。その際に、スタッフの理解度やモチベーションなどに温度差がないかを確認しましょう。
物流KPIを設定することで得られるメリットには次のような点が挙げられます。
- 問題を可視化できる
- コミュニケーションが促進される
- 合理的で公平な評価につながる
物流の状態を定量データで把握することができるため、現状を把握することが可能になります。物流拠点が多くなり、プロセスが複雑になるとすべてを管理者が把握するのは困難です。KPIによって定量的に測定したデータを分析することで、問題の原因が分かり対策を練ることができるのです。
データに基づいた判断により、スタッフの認識が統一されやすくなります。物流は複数の拠点、社員やパートなど立場の異なるスタッフ、また委託元、発荷主、着荷主、委託先の倉庫会社、運送会社、作業会社など、さまざまな立場や責任を持つスタッフがいます。
業務をスムーズに、効率的にこなし、業績を高めるにはそれぞれのスタッフの意思の疎通と統一が必要です。KPIを活用することで、納得して仕事をしてもらうことができ、コミュニケーションが取りやすくなるのもメリットです。
データにはさまざまな結果や効果が表れます。そのような結果を正しく判断することができ、公平な評価となるのです。
客観的なデータから判断するものなので、努力して改善したことが、きちんと評価されることで、仕事に対するモチベーションアップにつながるでしょう。
物流において、コストや運賃だけで判断してしまうと、業務能力や安全性などの品質を見落としてしまうことになりかねません。すべてを総合的に判断できることが、KPIの大きなメリットです。また、データを管理し提示することで、根拠を持って顧客に対しても自分の会社の物流の高さや魅力を伝えることができるでしょう。
KPIを利用して会社の運営をより良いものに
KPIは現状を正しく把握できるものであり、コミュニケーションツールにもなります。さらに評価ツールとしての役割も担ってくれるのです。
物流業界において、ドライバーの人手不足をはじめ、燃料価格の高騰、サービス向上など、さまざまな問題があります。このような現状を改善するには、経営効率化を図ることが必要です。
また、厳しい状況において、スタッフかが安全で快適に作業ができ、物流がスムーズに機能するには、経営の改善が求められています。その取り組みとして物流コストの増加が削減といった取り組みをしている業者も多いでしょう。
その際にKPIが設定されていれば、物流コストの増加や削減の結果に対して、なぜそのような結果になったか、その原因を分析するためにもKPIは重要です。KPIの設定がないと、やみくもに方針を決めることにもつながります。根拠があり、その根拠に基づいた目標設定が必要なのです。結果を出すことができれば、スタッフのモチベーションもアップします。モチベーションがアップすれば、さらに会社の業績アップにもつながるでしょう。
KPIは持続的に改善をしていくことができるためのツールでもあります。このようなKPIは会社の運営において、非常に重要なものと言えるでしょう。