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物流の未来はDXが創る—三鷹倉庫が挑んだ、生産性革命と「共創」の物語

2025年10月16日に発行する冊子「物流倉庫ジャーナル 32号」では、株式会社三鷹倉庫、株式会社リンクス、株式会社KURANDOの3社と弊社フジテックスによる対談記事を掲載します。
物流業界がコスト高騰と人手不足というかつてない逆風に直面する中、「品質」を一貫して守り抜いてきた三鷹倉庫が、この難題にどう応え、DX(デジタルトランスフォーメーション)で生産性革命と荷主との「共創」を実現したのか。本記事は、この対談記事から内容を抜粋してご紹介します。
「見える化」が変えた、現場と取引先のコミュニケーション
三鷹倉庫の変革の鍵となったのは、株式会社KURANDOが提供する「ロジメーター」「ロジスコープ」「ロジボード」といったデータ活用サービスです。これらは、従来のベテランの勘や経験に頼っていた物流現場の作業時間、動線、人員配置といったあらゆる情報を客観的な数値として「見える化」します。
この「データ」という共通言語を手に入れたことで、三鷹倉庫は長年の課題であった「頑張ります」という精神論から卒業。物流コンサルティングのプロであるリンクス・小橋氏が指摘するように、曖昧な言葉ではなく具体的な根拠をもって荷主と向き合えるようになりました。これにより、生産性向上によるコスト削減メリットを分かち合う「ゲインシェアリング」の関係、つまりWin-Winの共創関係が実現したのです。
データが解き明かした生産性の真実
データ分析によって「火曜日のピッキング生産性が極端に落ち込む」というデータが判明。三鷹倉庫はこの事実を荷主企業とのコミュニケーションのきっかけとし、倉庫側の改善だけでなく、納品条件の見直しなど、荷主企業側の業務フローにまで踏み込んだ共同検証を提案しました。
その結果、火曜日の生産性は他の曜日と遜色ないレベルにまで改善。荷主も運送コストと自社工数を削減できるという、両社にとっての最大の収穫を得ることができました。また、「ダンボールの種類を1つ増やす」といった小さな荷主からの要望が、作業員の「判断」を増やし、月間生産性を10%も低下させるという事実も数字で示せるようになり、品質維持のための本質的な議論が可能となりました。
品質徹底。「三鷹プライド」
三鷹倉庫がDXで最も実現したかったこと、それは「無理の見える化」でした。時間と作業量を同時に測定できる「ロジメーター」のデータは、「無理を言っていたのだな」と荷主に気づいてもらうための説得力のある根拠となります。 ITを活用した見える化は、単なる効率化のためだけではなく、現場の一人ひとりが誇りとする「三鷹プライド」を守り、見えない努力によって培ってきた徹底した品質を証明するための強力な武器なのです。 データと現場力を掛け合わせながら、品質を守り、物流を担う人々の誇りを形にしていく三鷹倉庫の挑戦は、変化の時代における物流企業の目指すべき未来を示しています。ぜひ、冊子の全文でこの挑戦の全貌をご覧ください。