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逸見光次郎コラム『オムニチャネルと物流』(第1回)

逸見光次郎コラム『オムニチャネルと物流』(第1回)

逸見光次郎コラム「オムニチャネルと物流」(全6回)

そもそもオムニチャネルって何ですか?

ネットが普及する中で通常の商売の中にも、デジタルシフト、オムニチャネルという言葉が使われ始めている。当然あらゆる商売の根幹たる物流にもその影響は及んできている。
連載を始めるにあたって、まずオムニチャネルとは何か、そして物流との関係性について触れておきたい。

オムニチャネルの定義(オムニチャネルとは)

商売の基本とは、自分たちの商品・サービスを消費者(世の中)に広く知ってもらい、買ってもらい、顧客となって使い続けてもらう事だ。顧客が使い続けてくれるのは利便性だったり、娯楽性だったり、様々な顧客ニーズを継続的に満たし続けるからだ。そして顧客と企業は、商品・サービスを通じて長い関係を築いていく。これがLTV(ライフタイムバリュー、企業に対して、顧客がその生涯においてどれだけ利用・購買しているか)となるのである。

2000年頃まではその長い関係の接点の多くは、店舗や電話(コールセンター)というアナログな環境で出来ていた。それが1990年代末からの急速なネット普及の中で変わってきたのだ。

シングルチャネルからオムニチャネルへ

シングルチャネル

シングルチャネル

マルチチャネル

マルチチャネル

クロスチャネル

クロスチャネル

オムニチャネル

オムニチャネル

図のように、チャネルつまり顧客接点は双方向性を帯び、さらにクロスするようになる。
今では事前にネットで調べて、店頭で確認・購入することや、逆に店頭で手に取って確認したものを自宅からネットで注文して配送してもらう事もあるだろう(=クロスチャネル)。

そしてこれは特定の顧客が特定のチャネルを使うのではなく、一人の顧客が複数のチャネルを使う事でもあるのだ(=マルチチャネル)。

店舗のお客さま、ネットのお客さま、コールセンターのお客さま、といった分類は全く無意味となり、顧客情報や購買履歴は一元管理され、チャネルや部署に関係なく、顧客に最適な情報が提供されるようになる。顧客から見たら全て同じ屋号・企業だからだ。ところが企業側は、なかなかオムニチャネル化が出来ておらず、いまだに部署ごとに顧客情報を管理したり、顧客対応をしたりしてしまう。その事で顧客満足は低下し、顧客は離反していってしまう時代なのだ。

サプライチェーン、物流との関係

オムニチャネルという言葉だけ取り上げると、ネットでも店舗でも顧客接点だけを重視して “ITの仕組み”だけ作れば良いと思われることが多い。しかしながら実際は、“ITの仕組み”の前に、顧客情報、商品情報・在庫情報の一元化といった運用の改善を伴ったデータベースの持ち方の変更や、オムニチャネル化した顧客の行動に相対した企業側の各部署が公平な評価の仕組みに変わっている事も必要なのだ。

その中で物流は最重要な要素だと私は考えている。

よく物流に関しては、とにかく早く届ける事が重要、と言われるが、それよりもっと大事な事は、どこに何がどれだけあるのかきちんと把握したうえで、約束したものを確実に届ける事だと思う。実際に今日頼んで本当に今日明日届かないと困るものがどれだけあるだろうか。どうしても必要なものはまず店を探し回るのではないだろうか。その上で、ダメ元でネット通販に頼るのだ。全ての荷物を最速で届けようとしたら、そのコストは利用者に転嫁されなければ物流事業者が耐えられなくなっているのは周知のとおりだ。

店で言えば、ロングテールと言われるあらゆる商品を置いてある巨大店舗ならいいのか、という話だ。実際にそんな店舗を作ったら在庫回転率が最低で仕入支払額と販売粗利額が全く釣り合わない。そもそもそんな店舗はいくつも作れないし、メーカーにとってもいつ返品されるかわからない社外在庫が増えるのはあり得ない話だ。

それよりも今そこにない商品が、世の中に流通しているのか?流通しているなら、いつなら調達でき、自分が受け取れるのか、その納期が分かる事がとても重要なのである。

 

この20年間の急速なネットの進化、直近10年でのスマホの進化は、消費者をオムニチャネル化してきた。しかしながら企業側はまだまだ対応出来ていない事が多い。以前なら消費者は、自分が求める仕様の商品が製造され流通しているかを調べるすべは、複数メーカーに電話するか、専門店で調べてもらうしかなかった。ところが今ではネットで検索する事で、多くの商品情報を見る事が出来るようになった。しかしその商品がどこにあるのか、その在庫情報は最新のものなのか、この部分についてはまだまだ整備が追い付いていない。情報だけが先行しても、商品調達が出来なければ、消費者の不満は増すだけなのだ。

今回はオムニチャネルとは何かを説明し、物流とのざっくりとした関係について説明した。次回以降5回の連載の中で「商品と物流」「販促・CSと物流」「WEB・ITと物流」「経営戦略と物流」「今後のオムニチャネルと物流」というテーマでより深く解説させて頂きたい。

 

逸見光次郎コラム「オムニチャネルと物流」(全6回)

オムニチャネルコンサルタント
逸見 光次郎 氏プロフィール

1970年生まれ。1994年、三省堂書店入社。1999年、ソフトバンク入社。イー・ショッピング・ブックス立ち上げに参画。2006年、アマゾンジャパン入社。2007年、イオン入社。ネットスーパー事業の立ち上げと、イオングループのネット戦略構築を行う。2011年、キタムラ入社。EC推進本部副部長、ピクチャリングオンライン代表取締役会長(2012年9月にキタムラ統合)、執行役員EC事業部長、執行役員オムニチャネル(人間力EC)推進担当。2017年、個人事業主としてオムニチャネルコンサルタント活動を始める。同年、ローソン入社。マーケティング本部本部長補佐、同年退社し、コンサル契約に移行しローソン銀行立ち上げに関わる。2018年に千趣会執行役員マーケティング副本部長に就任。現在は、フリーのコンサルタントとして流通業界のオムニチャネル化のための講演活動や複数の流通事業会社のオムニチャネル化を支援中。

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