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思っていてもなかなか言わない「荷主のホンネ」とは?
普段、荷主と良好な関係を築いていると思っていませんか?思っていてもなかなか言わない「荷主のホンネ」とは
荷主が物流会社を選ぶには理由がある
ネット通販などで物流アウトソースが一般的になり、物流会社では多品種小ロットへの対応が必須となっています。
慣れないBtoC物流への対応で頭を抱えている物流会社も多いのではないでしょうか。さらに、荷主であるネット通販担当者から「コストが高い」「出荷が遅い」「返品対応もして欲しい」などいわゆるダイレクトなクレームが増えているという声も聞きます。
そこで、今回はそういった荷主の表面的な要望に加え、潜在的なクレーム・不満をまとめてみました。これを機に荷主と腹を割って話し、お互いよりよい物流環境をつくれるように協業していきませんか?
荷主のホンネ A社の事例(インタビュー)
倉庫に行ったら、荷物が全て平置きで保管されていて、上部の空間利用がまったくされていませんでした。物流会社にネスティングラックを入れるよう依頼したら今までと同じ坪数、費用で保管量を大幅に増やすことができ、年間500万円のコスト削減ができました。 |
荷主の不満と、物流会社の不満
問題 | 荷主の不満 | 物流会社の不満 |
---|---|---|
コスト問題 | コストが高い、下がらない | 荷主から強いコストダウンの要請 |
出荷締め切り時間問題 | 出荷対応が悪い、融通が利かない | 締め切り後の当日出荷依頼が多い |
在庫数が合わない問題 | 在庫が合わない | 急な出荷・入庫依頼が在庫のズレを招く |
誤出荷問題 | 誤出荷が多い | 出荷指示が分かりづらい |
荷主の要望問題 | 物流会社から何の提案もない | 荷主の要望が分からない |
要するに、荷主と物流会社の間に思いのズレが生じているが、お互い潜在的クレームとして表面化していないことが原因で、お互いの不満が解消していない。
原因と不満解消の解決策
コスト問題
- 原因
付加価値サービスがない
- 解決策
IoTシステムや省人化ロボットなど生産性を上げる付加価値を提案し、単に値下げ交渉に応じるのではなく、逆に値上げをしてでも使いたいと思わせるサービスを提供する。
出荷締め切り時間問題
- 原因
コミュニケーション不足
- 解決策
荷主とのコミュニケーション、ルール決めをしっかりとしたうえで現場まで落とし込む。イレギュラーな依頼が頻繁に起こる場合は、余裕を持った依頼方法の提案をし、改善してもらう。
在庫数が合わない問題
- 原因
ロケーション変更などによる棚卸精度の低下
- 解決策
RFIDによる在庫管理・ロケーション管理を行う。棚卸もRFIDリーダーであれば簡易に早く行うことができるので、毎日の業務に組み込む。
誤出荷問題
- 原因
ピッキングミス・検品不足
- 解決策
ピッキングシステムの導入、検品作業のシステム化。誰がいつどこで何をいくつピッキングしたのか明確にすることで作業員の意識と効率を高め誤出荷によるクレームをなくす。
荷主の要望問題
- 原因
荷主が物流を知らない
- 解決策
実際に現場を見てもらい、物流への理解を深めてもらう。保管効率、現場環境含め実際に見てもらい、理解したうえで要望を聞くことが重要。
※こちらの記事は物流倉庫倉庫プランナーズジャーナル第2号(2017年4月発行)をWEB用に編集し直したものです。