HOME > 物流倉庫プランナーズ ジャーナルONLINE > 物流の危機に、見直し待ったなし!今後必要とされる新たな取り組みとは!

新着記事 一覧

人気記事 一覧

記事キーワード検索

SNS公式アカウント

RSSから記事を購読

物流の危機に、見直し待ったなし!今後必要とされる新たな取り組みとは!

物流の危機に、見直し待ったなし!今後必要とされる新たな取り組みとは!

ネット通販業界に激震を走らせたヤマト運輸の荷受量抑制

2017年2月23日 ヤマト運輸が労使で宅配便の荷受量の抑制を検討していると伝わってから、物流業界のサービス破綻が浮き彫りになってきた、深刻化する人手不足の中、日本型の物流サービス業の在り方に見直しが迫ってきている。

 

ヤマト運送では、昨年4月から今年2月末までの11ヶ月間の宅急便取り扱い数は、17億個超と前年度に比べて8%・5年前の同じ時期と比べると30.8%も増えている。

ヤマト運輸は「顧客本位」<サービスが先・利益は後>という顧客の立場で考える元社長である小倉昌男さんが築き上げたイズムにより、次々と新しいサービスを生み出してきた。

1986年に始めた代金引換サービスや、受け取りの時間帯指定や再配達も消費者が受け取りやすさを高めるためにはじめ、通信販売の基盤を作ったともいえる。

顧客の信用を得たヤマト運輸は、配達便で国内シェアの約5割を握る物流インフラとなったものの、想定を超える社会構造の変化がサービスの維持を難しくし、深刻になる人手不足と人件費の高騰で「利益なき繁忙」に陥った。

このような『顧客本位』にきしみを生じさせたのが、ネット通販の爆発的な普及だ。

15年の市場規模は、13兆7700億円となり、5年前に比べて8割増え、今後もさらに膨らむのは必至だろう。

もう一つは、少子高齢化を背景に家族構成が変化し、共働きや一人暮らしの世帯が増えていることから、不在のために宅急便の2割で再配達が発生しているという問題だ。

そこで、今後の配達サービス網維持のためには下記6項目が不回避と判断しサービスの見直し・働き方改革の方針を固めた。

ヤマト運輸サービスの見直し・働き方改革の方針とは

  • 大口顧客と値上げ交渉し、荷物の総量を抑制する。
  • 繁忙期割り増しなど法人向けの新料金体系の導入検討
  • 4月24日から再配達受付の締め切りを午後7時に繰り上げ。
  • 「正午~午後2時」の時間帯指定の廃止。
  • 宅配ロッカーを首都圏に集中整備、設置目標を前倒しにする。
  • 10月に「勤務間インターバル制度」を導入

 

ヤマト運輸の動向は、同業他社にも影響を与えていくと思われます。

物流30年完全無人化計画

国土交通省は、人手不足が深刻化する宅急便を含む物流分野での企業効率化を支援するため、少ない人手で大量の荷物を運べる鉄道や、船を使ったり、異なる企業が共同配送をしたりする30計画が固まった。

国交省は、2015年10月に改正物流総合効率化法を施工し、トラック運転手などの省力化につながる計画を立てた企業を税制や補助金で支援していく。

政府は、物流30年完全無人化計画を立て、3段階にて30年までに「完全無人輸送・配送サービス」を実現させると揚げています。

第1段階(2020年ごろまで)

AIによる工場・倉庫内の省人化

第2段階(25~30年ごろまで)

人やモノの輸送・配送を完全無人化 ロボットの多能工化、ロボット同士の協調

第3段階(それ以降)

移動の自動化・無人化が行き渡り「人的要因による死亡事故ゼロ」

鉄道やトラック、ドローンなどを無人化させ、物流施設を含めてそれぞれをつないで、最適なタイミングで配送する仕組みを作っていくようになっていくでしょう。

物流会社も無人化に向け物流システムを次々と導入

実際、物流会社でもその動きが出始めています。
大和ハウス工業では、人工知能(AI)を活用した新型物流センターを開発している。

搬送用ロボットを効果的に動かし、24時間稼働を実現しつつ、作業者を従来より最大8割、運営費を3割以上減らすことを可能にし、運送会社のシステムと連携し、配送手順やルートを最適化、トラックの積載効率を高められる【AI物流センター】を2018年から順次導入し通販会社に貸し出しを行う計画が進んでいます。

まず、千葉県流山市に18年完成する延べ床面積が15万平方メートル希望の倉庫に導入。
通常600人ほどの作業員が通常必要だが、搬送用ロボットを100台導入すれば100人ほどでフル操業できる計算になるという。

機械工具卸大手のトラスコ中山でも、関東・関西の2拠点に「ロボット倉庫」などの最新物流機器を導入していく計画を明らかにした。

省人化、拠点の収納・出荷効率を高める取り組みとして、自動倉庫型ピッキングシステムの自動倉庫型ピッキングシステム「AutoStore(オートストア)」、ゲート式仕分けシステムの「ゲートアソートシステム(GAS)」、出荷梱包用自動化システム「i-Pack(アイパック)」を採用する方針だ。

 

配達料金も、今後料金設定を細かく分け、指定時間に受け取れば安くし、再配達なら高くする。「割れモノ注意」などラベル付き荷物は追加料金を求めるなど、一律の値上げではなく手厚いサービスは料金を余分に取り、セルフ式など簡素なサービスは安く済むような柔軟な料金体系も今後必要となるだろう。

問われるのは、目先の値上げ交渉力よりも将来を見据えた構想力が必要になってくる時期であるのは間違いない。

物流効率化・コスト削減についての
お問い合わせ・商談はこちらから

トップに戻る

会社概要 プライバシーポリシー 特定商取引法