新着記事 一覧
人気記事 一覧
記事キーワード検索
SNS公式アカウント
RSSから記事を購読
自動倉庫の業種別カスタマイズ事例
メーカーなど自社商品を抱える会社にとって必須となる要件が、スムーズな倉庫管理です。近年は「イケア」のように、物流倉庫そのものを販売店にしてダンボールやカートンのまま展示するなど、ユニークな販売形態が人気を集めています。その中でも在庫管理におけるコスト削減につながるのが「自動倉庫システム」です。
自動倉庫とは、商品の出し入れなどの管理をコンピュータで一元管理するシステムです。ラインのような縦横移動のみならず、上下方向にも固定棚を移動させることができ、時間と人件費の削減につながります。
様々な業種で用いられている自動倉庫を自社用のレイアウトにカスタマイズし、システムの一元化と効率アップにつなげましょう。今回はカスタマイズ例のうち、一部をご紹介します。カスタマイズで、自動倉庫はもっと自由に。もっと便利に。
業界別カスタマイズの事例
取り扱う製品や業種により、自動倉庫のレイアウトは変わってきます。こちらでは業種別のカスタマイズ事例をご紹介します。
ホームセンターの場合
夏場のキャンプ用品や冬場のこたつなど、季節による店頭商品の入れ替わりが多いホームセンター。形状が異なる多種多様な製品を扱うため、時期による拡張性や柔軟性が求められます。
この事例では、自動倉庫に平置きエリアを併設して保管効率を最大限に高め、在庫変動に柔軟に対応できるようにしました。パレット、バケットなど荷物の大きさに合わせた移動を可能とし、作業負荷を軽減し、高速仕分けに役立つソーターも採用しています。
出荷量に合わせた人員配置や精度の高い商品管理で、コスト削減はもちろんのこと、現場へのスムーズな流通を可能とします。
書籍配送センターの場合
書籍保管は季節変動が少ないものの、在庫期間が長期化するという特徴があります。商品1点あたりは小さいものの、商品点数が多いので在庫面積も膨大です。業界の特徴上返品にも対応しなければなりません。
事例では高層自動倉庫を採用することで、省スペースかつ効率的な保管を可能にしています。また在庫管理システムにより、新本・返本をリアルタイムで把握し、販売機会損失を防止することに繋げました。
製造業の場合
自動車ラインや加工ラインなどの製造業は、安定したタイムリーな部品供給体制の確立が必須です。自動倉庫システムの導入により、現場作業員の稼働時間最小化やジャストインタイムの部品供給システムを構築できます。また、現場端末と管理システムの連動によるリアルタイムの工程進捗管理をサポートや、無人搬送車・天井走行台車を利用しての次工程へのタイムリーな供給レイアウト設計を行います。
医療器材メーカーの場合
人の命にダイレクトに関わる医療機器業界の倉庫管理にも、自動倉庫は一役買います。卸の媒介が多いからこそ予測される不測の事態(院内感染や誤ピッキング)を、起こさないためのシステム作りが大切です。さらにセキュリティ管理の徹底、院内および手術室運営の円滑化なども欠かせません。
現場への導入例では、垂直式回転棚の新設で省スペースを実現。商品の入出庫をオートメーション化しつつ、手術時の時間効率を高めることが可能となりました。空間を有効活用する垂直式回転棚は、医薬品製造や危険物の業界でも活躍しています。
食品卸会社の場合
冷蔵・冷凍品の取扱いが多く、農業や水産業の季節変動・需要変動の影響が大きい食品製造や食品卸業界では、現場店舗へのリードタイムの短縮が第一の課題です。これらのソリューションとして、高速スタッカークレーンでのピッキング品の入出庫や背面ピッキングシステムの構築で、自動倉庫の特徴を大いに活用します。
事例では食品の種別(飲料、菓子など)に合わせ、ケースピッキングの場合は自動倉庫の背面ピッキングを、バラピッキングの場合は折りたたみコンテナをカートに詰め合わせるなどの方法で、荷さばきエリアへと搬送する方法を採用しました。特売品は別途仕上げエリアで店舗単位に詰め合わせ、荷さばきエリアに搬送します。
エリアバーコードやRFID(小型の電子タグ)を活用し、トレーサビリティ(商品履歴・追跡機能)への対応も可能にしています。
カスタマイズさらなる効率化
このように自動倉庫は業種に合わせてカスタマイズすることで、さらなる効率化が可能になります。
これまで「少量多品目」「製品サイズの差異が大きい」「季節商品の入れ替わりが激しい」などのケースでは、一般的に自動化が難しいと思われてきました。しかしテクノロジーの進化で、近年ではこれらのケースにも対応可能なシステムが多数開発されています。
通販サイトやeコマースの発達にともなう小規模事業者の増加を受け、システムの規模やコストもフレキシブルになってきました。物流効率化の切り札となる自動倉庫。「高そうだから」「うちの商品では難しいだろう」などと諦める前に、自社に導入可能なシステムについて一度相談してみましょう。