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MOVO FORESIGHT 2018 参加レポート

MOVO FORESIGHT 2018 参加レポート

2018年11月27日、株式会社Hacobu主催の物流フォーラム「MOVO FORESIGHT 2018 ~垣根を超えたデジタル・ロジスティクスが今日始まる~」が開催された。

ロジスティクスという産業そのものをブランディングしたい

Hacobu佐々木氏

「気合いと根性で支えられてきた旧来のロジスティクス」をデジタライズし、手書きの配送指示書や納品指示書などをFAXで一件ずつ送るやりかたを捨てようという株式会社Hacobu佐々木太郎氏の言葉とともにイベントはスタート。

このままアナログなオペレーションのままではリソースは足りなくなることは目に見えており、ロジスティクスが立ち行かなくなってしまえば、経済は停滞してしまう。これを乗り越えるデジタル化への変革のため、MOVOがロジスティクスの共創型プラットフォームとなりたいというイベント開催の主旨を説明。

また、産業間の人材獲得競争となっている中、「ロジスティクスという産業そのものをブランディングしたい」という強いメッセージもあり、今ロジスティクスに携わっていない人も呼び込んでいきたいと話した。

ロボティクス導入の課題と 解決アプローチ

この日のイベントでは基調講演、特別講演含め6つのセッションがあったが、中でも物流倉庫プランナーズが期待し、注目したのが「ロボティクス導入の課題と 解決アプローチ」と題したセッション。パネルディスカッション形式で、パネラーは物流ロボティクスオールスターズといえる豪華なメンバー。

MOVOセッション 元ホームロジスティクス、現在はソフトバンクロボティクス株式会社 顧問 兼 ロジスティクス本部長 松浦学氏。
物流倉庫プランナーズでもインタビューやセミナー登壇もし、Geek+の棚型搬送ロボットEVEを国内で初めて導入されたアッカ・インターナショナル 代表取締役の加藤大和氏。
バトラーなど、国内企業へのロボット導入などロジスティクス支援をしているGROUND株式会社 代表取締役社長 CEO 宮田啓友氏。
JD.COMの無人倉庫でも導入された知能ロボットコントローラを開発され、物流・産業ロボットで今最も注目されているといっても過言ではない株式会社MUJIN CEO 兼 共同創業者 滝野 一征氏。
この4名に、モデレーターは弊社セミナー講師も登壇したローランド・ベルガー小野塚征志氏という、物流自動化、省人化を検討されている企業経営者・現場責任者であれば見逃すことのできないメンバーが揃った。

ロボット導入の課題「経営計画において成長戦略が描けているか」

セッションの中では、様々な話があったが、このレポートでは、ロボット導入に向けたファーストステップであるといえる、導入への課題に関する大事だと思える部分をピックアップしたい。

ロボット導入のポイントとして、一番の課題は「経営計画において成長戦略が描けているかということと、日常のオペレーションマネジメントにおいて、きっちり計画通り着地させられるかどうか」。しかし、「経営者層がロジスティクスに対する理解があるか」が大切であるが、現実としてロジスティクスを理解している経営者は少ないと松浦氏は話す。

アッカ・インターナショナル加藤氏も、人手不足はもちろん、雇用水準や人件費が高いことや、海外から労働者を受け入れる世の中の流れ、EC業界の成長などを理解していれば、経営層は頭打ちになると感じ、自ずとロボットを導入や、見える化をする方向に会社が向かうだろうと話した。

GROUD宮田氏は欧米と比べ、日本のロボット導入が進まない理由は文化的な違いが大きいと話した。
フランスの某物流会社は作業者の7割はフランス人ではなくポーランド人で構成されているそうで、言葉は通じない。人は間違えるもの。盗む。サボる。ということが大前提で始まっているため、いかにそのような事を防ぐかがロボット化の着眼点であるためロボット導入が進む。日本の場合は、人が何でもやってしまうので、ロボットよりも人のほうが良いという考えが大前提になってしまう。

人海戦術で何とかできるというのは日本人の良いところとも言えるが、人手不足は間違いなく現実に起こっており、労働人口は年間1%減少、1日あたり2200人ほど減少している。このような状況の中、人手不足は当然、物流業界だけでの話ではなく、メーカーや小売りなど、あらゆる産業間で人材獲得競争が起こっている。物流業界で自動化が進まない現状にたいして、物流センターを建てるのに2年は掛かるにも関わらず、このまま来年、再来年と導入を先延ばしにして、4年経った時、本当に大丈夫なのだろうかとMUJIN滝野氏は警鐘を鳴らし、ロボット導入のポイントとして、ロボットそのものに対する理解を深めることも重要と話した。
「ロボットというのは、あれもできないこれもできない。できない、できない、できない、という中で、これだけは人間よりも物凄いできます!というところを分かっていれば」ロボット導入の効果を最大限に引き出すポイントが見えてくる。
また、中国のロボット導入が進む理由の一つとして、失敗もプランの内に含めている点が、日本との大きな違いと話す。労働者人口が確実に減少する中、危機感は感じているものの、なぜか決定まで至らない日本に比べ、中国は決定までのスピードがとにかく早く、“とりあえずやってみる”という姿勢があり、導入検討から決定までに2年先、3年先と待っている時間よりも、とりあえずスタートして半年で失敗して、2ヶ月で改善したら、8ヶ月程度で済むという考え方を持っているという。

経営戦略において、人がやる仕事と、ロボットにまかせる仕事を分けて考え、オペレーションをいかに簡略化して、誰でもできる環境作りをしていくかが大きなポイントとなることは間違いない。そのためには経営者のロジスティクスに対する理解と、現場の説得力と、最後までやり遂げるための情熱が必要だ。

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